ずどどどどど、どどど、どーん!!!
あ、落ちた。。。
その日も落ち着きが無く、一日中部屋を行ったり来たり
階段を登ったり下りたり、一人笑ったり怒ったりの父。
夕食を食べてしばらくして、階段の方からものすごい音。
今までも酔っ払った時なんかに
何回か階段から落ちたことはあったけど
この音は尋常じゃない。
見に行くと、階段の上の方に割れた灰皿、
一階まで破片が飛び散ってる。
その一階の床に仰向けの父。
何だか呆然と天井を見上げてる。
「だいじょうぶ?」
「すべった。落ちたわ。」
しばらくそっとして割れた灰皿を拾いながら
様子をうかがう。
「頭は打ってないか?腰は?痛いとこは?」
「だいじょうぶだろ、ワシは柔道やってたから」
なんて威張ってみせる。
「そっと立ってみたら」
「立ってみようか」と立ち上がったら
足首から足の裏にかけて痛みを感じたみたいで
「痛いわ、動けんわ」
とりあえずイスを運んでしばらく座らせる。
その直後に言った言葉が
「タバコ、あと灰皿持ってきて」
もう・・・
一時間くらいそこでタバコをふかす父。
しばらくして眠くなった父は、肩を貸してくれと言う。
痛めた場所を見せてもらうと、
腫れがあり少し変形しているように見える。
たまたまあった湿布を貼って
ソファのある居間まで片足ケンケンで行く。
その後2時間ほど眠って・・・また物音がするので見に行く。
トイレに起きようとしたものの、
激痛のため立てずソファに倒れこんでいる。
とりあえずまた肩を貸してトイレへ。
後ろから体を支える。
しばらくすると、よろよろとして倒れこんできた。
床を見ると、オシッコでびしょびしょ。
ちょっと待った!!!
と廊下まで引っ張ろうとしたら、
後ろ向きケンケンで、もとのソファまで帰る気力を見せた父。
そのまままた、2時間眠ったようだ。
こちらは、身動き取れない父をはてさてどうしたものかと
考えると眠れなくて、物音がするたびに様子を見に行く。
「眠れないのか、寝ろよ。」
「心配かけて悪いな。」など、いつもは聞かない言葉を聞いた。
でも私の気持ちとしては、
「迷惑かけてすまんな」と言う言葉が欲しかったけど・・・
我ながらひどい娘だ・・・
足がどうなってるのか、打撲が骨折か?
どれほど治療が必要なのか、
日常生活のサポート、治療のサポートなど
考えると眠れなくなってくる。
ふと「入院してもらえれば、助かる」と頭によぎる。
朝になって、本人に状態を聞くと
「痛くて歩けん、骨折れとるわ。担架で運んでくれ」と言う。
座ってると痛みはマシなのか、
その合間にも独り言を言いながら、ニヤけてる。
母はあまり気づいてないのか、鼻歌を歌ってる。
それもまたショック。。
車もないので、申し訳ないが救急車を呼ぶ。
「持病はないですか?」の問いに
「ないですわ」と父。
あとからそっと救急隊の人に統合失調症であることを伝える。
そうこうしてると、母が玄関先で私を呼ぶ。
見に行くと、おまわりさんが二人。
階段からの転落ということで事件性がないか調査に来られたらしい。
「この間お会いしましたね。」と一人が言うので
「?」と顔をよく見たら、
祖父が亡くなった夜窓ガラスを割ってくれた人だった。
「あぁ、先日はお世話になりました」と何故か挨拶。
救急車で病院へ。
診察の結果、かかとの骨折。
骨もズレが生じてるらしくて、手術と入院を勧められる。
治療期間は2ヶ月半ほどかかるそうだ。
本人も痛くて動けないから、しぶしぶ入院を了解する。
父の病気の件もドクターに報告。
「認知症で精神状態が不安定な人も入院しているから・・・」と
受け入れしてもらえた。
部屋は10人部屋。
見回すといろんな患者さんがいる。
父の顔を見ると、この中では一番元気そうに見える。
「時間をもてあますから、本を持ってきてくれ、それから・・・」と
次から次へとリクエストをする。
本当にもう・・・
それから
「入院したらnozomiに迷惑をかけなくてすむだろ。お前も忙しいからな。」とポツリ。
感謝の言葉さえ言わない父が言った一言。
病気のせいで言えなかったのか、
本当は私の顔色を見て察していたのかなぁと思った。
ごめんね、お父さん。
2008年04月28日
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/94921078
この記事へのトラックバック
http://blog.seesaa.jp/tb/94921078
この記事へのトラックバック


興味がないように見えて、
実はすごく気になる存在なんじゃないでしょうか。
うちの父は無口だったのですが、
何故か私の事は全てお見通しで怖かったです^^;
お父様は、普段からnozomiさんに言いたいことが
沢山あったのでは…。
お父様の言葉は、いかにも父親だなぁって思いました^^
それにしても大変でしたね。びっくりしました!
お父様、病院でゆっくり休まれるといいですね。
早くよくなりますように…。
コメントありがとうございます。
私も本当にびっくりしました。
本人は意外にケロッとしているので
骨折してるのか、救急車を呼ぶべきかって感じだったんですよ。
(ある意味、強いんですね。。苦笑)
入院して2日目、様子を見に行くと
これまた家にいる時より元気そう。
「ここは、飯がうまいんだ!」
「みんな丁寧に挨拶をするんだよ。」
とか、何だか入院生活を楽しんでるようで・・・
どうかこの調子が続いて欲しいと思います。
父の入院はもうかれこれ、18年ぶりくらい。
しばらくは母との二人生活になります。
無事に過ごせますようにと祈るばかりです。
親の心って本当に、どんなに性格合わなくても子供を自分の分身のように思わない親は居ないはず。ずっとnozomiさんに甘えっぱなしだったお父様。それはきっとご自分もお母様とnozomiさんの関係のようになりたいのに、男親であることのプライドが邪魔して出来なかったのかなあ。だからこそ余計に嫌味を言ってしまったりして。それで自己嫌悪。私、何も知らないからこんなこと書けるのかな・・・。
災難ではあったけれどお父様が入院されたことといい、そして決して聞くことはあるまいと思っていた父親からのnozomiさんへのねぎらいの言葉。それがお父様の本当の本心なんだと私は思うのですが。
入院先でも『飯がうまい』とかいろいろ絶賛しているみたいだけれども、私はそれは強がりだと思うんです。精神の病を負った人は任意入院を除けば、みんな寂しがりやで孤独だから。
こんなこと言うの不謹慎かもしれませんが、お父様の入院中のお世話などやること増えて大変でしょうね。でも精神的には楽でしょ?少し骨休みをもらったと思っちゃってもばち当たらないと思うな。
居なくなると、案外、自分にとっての父親の存在って何なのだろう・・。って振り返る機会が与えられるから。でも、つらいね。nozomiさん。余り無理しないで下さいね。ゴールデンウイーク、お父様に内緒でどこか楽しいところに行けるチャンスがあるといいですね。
お父様のお怪我のご回復、心よりお祈り致します。
こんにちは!
お返事が遅くなってすみません。
5月もあっと言う間に2週間経ってしまいました。
おかげさまで父は手術も無事終わり、
今はぼちぼちリハビリを始めています。
心配していた入院生活も落ち着いて過ごせているようで、
自宅に居る時はいったい何だったのか・・・と思うくらいです。
きっと本人も気を張ってるのでしょうけど、
本当に不思議。。。
病院に行ったりということはありますが
自宅でのんびり過ごせるので
私のイライラが大分軽くなったような気がします。
ちょっとしたお休み気分を味わう毎日です。