ホテルに一泊して、
気持ちも体も落ち着きを取り戻した私と母は、
祖父のお見舞いに行くことにした。
まず祖父宅に寄って、持っていくものを整理していると
携帯が鳴った。病院からだ。
電話に出ると、看護師さんが
「おじいさんの容態が悪いので、すぐ来てください。」とのこと。
急いで病院へ行くと、祖父はしんどそうだけど
意識はまだあった。
「じいちゃん、来たよ」と言うと、「おぉ、来たか」とアイコンタクト。
でも、話すことは難しく、
しんどそうな祖父のそばにいることしかできない。
お医者様は、
「今夜は付き添ってあげてください。
今夜か、もう少し先か・・・そんな感じです。」
電話があったのがお昼。
時計を見るともう夕方になってきていた。
亡くなった祖母が入院していた頃なら、
母と交代で付き添うことができたが
今の母は一人で家に帰ることも、
帰って父に夕食を作ることもできない。
こんなことを言っては不謹慎だが
このままの状態が何日も続けば、私も母も体力が持たない。
そういえば、母の薬も今夜の分はない・・・
なんて頭の中でぐるぐる考えていると
祖父の様態が変わった。
さっきまでの呼吸と違うのだ。。。
そしてしばらくして、祖父は旅立ってしまった。
一瞬、私の考えていたことが
祖父に通じてしまったのかと思った。
ごめんね、おじいちゃん。。。
心の中でつぶやく。
それから祖父の住んでいた家に戻り
葬儀社の人と葬儀の打ち合わせをして時計を見ると
夜も十時半を過ぎていた。
お通夜や葬儀の準備もあるので
自宅に母と帰ることにする。
ところがタクシーで家に帰ると、玄関の鍵が開かない。
(中に父がいると、二重鍵にしているため、開かなくなっている)
インターホンを鳴らしても父は出てこない。
冷たい雨が降る夜11時半。。
表から雨戸を開けてみるが、1階のリビングには父の姿は無し。
電話をかけても留守電。
インターホンを30分以上鳴らし続けるが出てこない。
どうすればいいのか・・・
こんな夜に。。。
途方にくれる。。。
思い切ってガラス窓を割ろうと試みるけど
簡単には割れない・・・
それで、警察を呼んだ。
事情を話すと、お巡りさんも困り顔。
しばらくいろいろ試みてもらったけど
らちがあかない。
「ガラス割りますか?」「ハイ」
突入・・・
「お父さん、どこにいるんですか?」
「たぶん2階の、奥の部屋です。」
「だいじょうぶ、動いてるよ。寝てたみたいよ。」
「・・・・・」寝ぼけてる父。
「すみませんでした。お世話になりました。。」
とお巡りさんにお礼を言って、割れたガラスの後片付けをする。
あきれ返って笑ってしまった。そして、涙がポロポロ出てきた。
泣き笑い。大変な夜だった。
2007年12月11日
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